2012 0102 磯道
年に一、二度の墓参は子供心に少しかしこまったけれど楽しい小旅行だった。
墓苑の入り口から墓まで道では牛小屋があり、草叢にはバッタがいた。
木の枝には大きな女郎蜘蛛が巣を意張っていた。
お堂にある井戸で水を汲み運んだ。
一面、陸稲が植わっていた辺りは住宅が並んでいる。
子供の頃にあった牛舎は牛の変わりに車庫として未だに残っている。
入り口のお堂は相変わらずで、井戸のポンプも健在だ。
かつては親類がそろって墓参をしたが、今は夫々だ。
皆が年老いていく。
垂れ込めた雲が いつの間にか晴れてくる。