岬のその先っぽへ
以前から河口の向こう岸には鳥居が見えていて
気になっていたけれど
そこへ行く橋はない
小さな峠を越して行かなくては
峠を越すと立派な道路が見える
岬を跨ぎ海岸に沿って走る予定の新しい道
道を登ると空が開ける。
未だ春先なので、鶯の囀りもぎこちない。
砂利は薄く、土も薄い。土台の泥岩がむき出しだ
地球の骨 岬の骨
安寿と厨子王の守り神の大蛇が昇天したという松の木はなくなっていた
囲いとその向こうに見慣れた鳥居
鳥居から続く幅1m程の急な階段を登って見たけれど
途中で崩落して足元からなくなっていた
本来の社殿も崩落してなくなったのだろうか
来た道を引き返す
誰かが少し後ろを付いてくる気配を感じながら
カサ コソ